昨日、水産総合研究センターがウナギ(*1)の完全養殖に成功した、と発表した。養殖というのは、人工的に育てたり増やしたりすることだが、完全養殖と言うのは、人工的に卵からふ化した(*2)子供を親になるまで育て、それが生んだ卵をまたふ化させて育ていくという循環(*3)を作ることだ。
日本人はウナギをよく食べるが、ウナギがどこで生まれ、育ち、死ぬのか、長い間謎だった。それが、日本から数千キロ離れた北太平洋の西部で生まれるということが、大学などの調査で2年前に明らかになった。
今、私たちが食べているウナギは、数千キロも泳いで日本にやってくるシラウナギ(ウナギの子供)を捕まえて、養殖で育てたものだ。このシラスウナギの量
が最近非常に減ってきている。
スーパーなどでは、海外から輸入した安いウナギもたくさん売られるようになってきたが、日本産のウナギを求める消費者は多い。ウナギを安定して供給するには、この完全養殖が絶対的に必要だと言われていた。
8年前に、卵からシラスウナギまで育てることには成功していた。それが今回、そのシラスウナギが親になって卵を産み、その卵がふ化して成長しているのだ。これは①世界初の成功である。
天然ウナギが減っている中、天然ウナギに頼らないで、ウナギ再生産できることが示されということだ。
(*1)ウナギ: 魚の名前
(*2)ふ化する: 魚と鳥など卵から子供が出てくること
(*3)循環:一回りして元に戻ることをくり返すこと