料理中に電話がかかってきて、話している間に肉や魚が焦げ(*1)手してしまう。また、勉強をしているときに家族に話してかけられ、話が終わったときには、何を考えていたのか忘れてしまう。これらの現象は「ワーキングメモリ」と言われる記憶に関係しているらしい。
「心と脳の科学」という本によると、脳の記憶には、料理をしていることや勉強で考えていたことを、いつでも思い出せる状態で「保持(*2)」したまま、電話の話や家族との会話など別のことを「処理」する働きがあるそうだ。
「ワーキングメモリ」はこの「保持」と「処理」が同時にうまくできるように働いている。しかし、その「保持」の力には限界があり、この限界が超えると、料理や勉強のことを忘れてしまうということらしい。私も含めてなるほどと思う人は多いと思う。
(*1)焦げる:焼けすぎて黒くなること
(*2)保持:変わらない状態で持っていること