銀行や郵便局に行くと、いろいろな場所に数字が書いてあります。その数字を読むときに、数字と数字の間に点、カンマが打ってあるのに気がづくでしょう。たとえば199,999,000という具合に、三個の数字ごとに打ってあります。数字はこの点を頼りに読むのが普通なのですが、日本の数字表記の場合、①それができません。
なぜなら日本の数字、たとえば一億九千九十万という漢数字は、千、万.億と四個の数字ごとに位(*1)が変化、すなわち四桁切り上げだからです。本当はは199,999,000というふうに四個の数字ごとにカンマが打たれてあれば、一億九千九百九十九万と、そのまま読めます。
しかし、②四個の数字ごとにカンマが打たれることにはなりませんでした。なぜでしょう。
インドアラビア数字(算用数字)(*2)が入ってきたためです。この数字は仏教の発祥地(*3)インドで考案され(*4)アラビア人はヨーロッパに伝えたもので、普及したのは13世紀に入ってからです。しかもアメリカを始め、各国で使われている数字の読み方が、
1,000 thousand(サウザンド) 千
1,000,000 million(ミリオン ) 百万
1,000,000,000 billion(ビリオン) 十億
と三桁切り上げでした。四桁切り上げになれている者には読みにくいのですが、日本の金融機関がこの方法を採用したので、それにならうことになったのです。
(柳谷晃 「冥土の旅はなぜ四十九日なのか」青春出版社)
(*1)位:たとえば、49の場合、9を1の位、4を10の位という
(*2)インドアラビア数字(算用数字):1、2、3...
(*3)発祥地:考え方、やり方などが始まったところ、生まれたところ
(*4)考案され:考えられ