A
「新入社員をしかったら会社に来なくなってしまった。」「若い社員のしかり方がかわらない。」こんなベテラン社員の悩みを聞くことが多くなった。今 の若者は親から大事に扱われ、しかられた経験がほとんどないまま大人になってしまった。上司からしかられると、ショックに耐えられない、なぜしかられたの かわからないと言う若者が多い。
しかし、共に会社の一員であり、上司には部下を育てる義務がある。時にはしかることも必要だ。人間はミスをするものなのだから、いつも褒められてば かりなんてことはない。誰にでも、しかられて初めて誤りに気づいたという経験があるはずだ。人間はそれをきっかけに成長するものだ。
B
部下のミスを指摘するのは上司の務めだ。しかし、それは必ずしも部下をしかることではない。確かに、しかれば部下は自身の失敗に気づく。だが一方 で、部下は上司を恐れるだけで、なぜ失敗したのか、どうすれば同じミスをせずにすむかを落ち着いて分析することができない。最近の若い社員はしかられた経 験が乏しいため、しかられると自分が否定されたと感じてやる気を失ってしまう者もにる。
そういう場合には、上司はしかる代わりに「どうしたんだ。君らしくもない。」と穏やかに言うのはどうだろうか。こう言えば相手を認めつつ、失敗した事実をわからせることができる。これなら部下も現実を受け入れることができ、その原因を考えるはずだ。
暑い夏、外を歩くと汗が出る。汗を止めるために冷房のきいた部屋に入る。誰もがしがちな行動だが、実は私たちの体にとっては「よいことではない。」
汗は汗腺によって作られるが、この汗腺は汗を作るだけではなく、汗を対外に出す働きも持っている。そして多くの汗腺が活発に働いていれば、蒸発しや すいさらさらした汗が作られ、体温調節がスムーズに行われる。汗腺は人の体には200~500万か所ほどあるが、通常、そのうちの半分程度が働かずに休ん でいる。そして、通常でも半分しか働いていないのに、冷房を多用するなどして汗を出さないでいると、さらに休む汗腺が増えていく。
働いている汗腺が100ヶ所あって、そこで100ccの汗を作って出すという処理をしなければならないとして考えてみよう。その時にもし冷房のきい た部屋に入り「汗腺が50ヶ所しか働かなくなれば、」1ヶ所当たり1ccの処理のはずが、2倍の2ccの処理になる。そうなると、処理が間に合わず、塩分 などの体内に吸収されるべき成分を含んだままの汗が体外に出てしまうことになる。このような汗はべたべたとしており、蒸発しにくく、「蒸発することで体温 調節をする」という汗の役割をうまく果たせない。
休む汗腺を増やさないためには、日ごろから汗が出る時にはそのまま出すという生活をしたほうがいい。飲食物に気をつけることも有効である。汗が出ている時に冷えた物を取ると、脳が「体が冷えた」と判断し、汗を止めてしまうので注意が必要だ。