女の人が誰かを(*1)非難(ひなん)するときというのは、自分が絶対に正しいんだという錯覚(さっかく)に(*2)(おちい)るんですね。

自分(じぶん)相手(あいて)のような立場(たちば)にあったら①同じようなことをしたかもしれない、ということには(*3)思い及ばない。

そして、相手を非難したり、(*4)ジャッジしたりしますね。男性もいますが、女性にとくに多い傾向です。

私は読者の皆さんに、そんな②頭の悪い女性になってもらいたくないと思っています。

あなたが良いことをしている場合は、マイナス面もあることを知って欲しいのです。

あなたが誰かを愛しているとします。

あなたの中に、愛しているんだから何でも許される、というような(*5)論理が働きませんか。

お子さんを愛している。子供を愛しているんだから当然じゃないかの、と言って、その愛情が子供を(*6)窒息させていることに気がつかなかったりするのです。

愛するということも大変なことだけれども、愛される身になると③息が詰まることもある、ということに気がついていないでしょう。

これはちょっと見方を変えてみればわかることで、あなたがいやな男に愛された場合を考えてみてください。

向こうは、あなたが好きだから、といってどんどん(*7)押し進めてきたら、④あなたはどうしますか。

それと同じようなことを、あなたは夫や子供にしてはいないでしょうか。

私はみんなのためを思ってこういうことをしたのよう、という女の押しつけを

、あなたはしていないでしょうか。

みんなのため、ということで (   ⑤   ) と思ってはいないでしょか。

そういうような、十九世紀の女性が言うような(*8)理屈は、新しい女性は捨てた方が良いと思います。

新しい女性は自分のやっている良いことも、愛情も、⑥必ずマイナス面があり、愛すること、正しいことは、必ず(*9)相対的なものだ、ということに気づくだけの頭を持っていなくてはなりません。

正しいことをやっていることで、すべてが許されたりしないのです。

正しいことは(*10)絶対なのではありません。

愛は絶対である、という錯覚に(*11)捕らわれてはいけません。

愛が絶対なのは神様だけであって、愛が人を傷つける場合もあるのです。

 

                               

(*1)非難(ひなん)する:相手(あいて)(つよ)くせめる

(*2)錯覚(さっかく)(おちい)る:(おも)いちがいをしてしまう

(*3)(おも)(およ)ばない:(かんが)えつかない

(*4)ジャッジする:評価(ひょうか)する

(*5)論理(ろんり)(かんが)(かた)

(*6)窒息(ちっそく)させる:(いき)()まらせる

(*7)()(すす)める:積極的(せっきょくてき)(おこな)

(*8)理屈(りくつ):むりにつけた理由(りゆう)

(*9)相対的(そうたいてき)なもの:ほかと比較(ひかく)しながら存在(そんざい)するもの

(*10)絶対的(ぜったいてき):ほかと比較(ひかく)したり制限(せいげん)したりしない

(*11)()らわれる:支配(しはい)される

1.

①「同じようなこと」とは、どんなことか。





2.

筆者が言う②「頭の悪い女性」とはどんな女性か。





3.

③「息を詰まること」とは、どういうことか。





4.

④「あなたはどうしますか」とあるかが、筆者はどうすると思っているか。





5.

(   ⑤    )の中に入る言葉として最も適当なものはどれか。





6.

⑥「必ずマイナス面があり」とあるが、筆者によると、どういうマイナス面があるか。





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