日本の夏は蒸し暑い。特に東京では、夜になっても気温が30℃以下にならず、エアコン(注1)をつけないと眠れない、ということも多い。
むかし、東京は、夕方になると海からすずしい風がふいて、自然と気温が下がったものだった。しかし、近年、海沿いに大きなビルが建ったために、海から風が入ってこなくなったと言われる。地面もアスファルト(注2)でおおわれているので、熱が吸収されない。人々は暑くてがまんできないのでエアコンをつける。すると、室外機から熱い空気が出て、それがますます気温をあげる。こうした悪い循環のために気温が下がらない。
そんな暑い夏を少しでもすずしく過ごすための、自然を利用した工夫がある。例えば「グリーンカーテン」というものがある。夏の間、葉がよく生い茂る植物を育てて窓の外側をおおい、部屋の中に日差しが入るのを防ぐものだ。植物から水蒸気(注3)が出るので、それも部屋の気温を下げる働きがある。学校や自治体(注4)で取り入れているところが増えている。
また、「うちみず」も注目させている。これはむかしから日本にあった習慣で、にわや道路に水をまき、その気化熱(注5)を利用して気温を下げるもの。まく水は水道水ではなく、ふろの残り湯や雨水をために使う。最近は多くの人が参加して打ちみずをするイベントもある。
すずしく過ごすためにエアコンよりも自然の力と知恵を使う。それには少しがまんも必要だけれど。
1. 東京の夏が暑くなった理由として、ここで言っていないのはどれか。




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