イヌの散歩をしていると、最近ではイヌも挨拶の仕方を忘れてしまったのではないかと思ってしまいます。集団行動を経験したことがあるイヌ、もしくは(注 1)、飼い主からイヌらしい教育を受けて順位制(注2)を感じることができるようになったイヌは、道でほかのイヌにすれ違い近づいたときには挨拶らしいこ とをします。ところが、集団行動の経験もなく、家でも甘やかされて育ってイヌは。現代のヒト社会のように挨拶をしないように見えます。挨拶をするイヌが、 ほかの挨拶なしのイヌに対して威嚇する(注3)ことが観察されます。ところが、この挨拶犬が子イヌと遭遇したときには、子イヌが挨拶をできなくても威嚇を しないことが多いのです。挨拶犬にとって子イヌであるというシグナルがなんなのかわかりませんが、とにかく子イヌと成犬とを区別したうえで挨拶のあるなし を判断しているようです。

イヌの挨拶行動は、生得的(注4)あるいは習得的(学習的)のどちらでしょうか?順位制にしたがった行動ができるようになったイヌでは、イヌ社会での経験 がなくてもある程度の挨拶行動ができることから、生得的であるといえます。また、より儀式的な挨拶行動が円滑に(注5)実行されるためには、ほかのイヌと の集団生活があったほうがよいことから、習得的な部分もあるといえるでしょう。

(注1)もしくは:または
(注2)順位制:上下関係にもとづいてできた順序の決まり
(注
3)威嚇する:ここでは、ほえて相手を怖がるせる
(注4)生得的:生まれたときから持っている
(注5)円滑に:スムーズに、滑らかに

1. この文章によると、挨拶をしない、またはできないイヌはどれか。




2. この文章によると、どんなイヌがどんなイヌにほえて、怖がらせるか。




3. 筆者は、イヌの挨拶行動についてどのように述べているか。




次のA とB の文章を読んで、後ろの問に対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。

A

関係の複雑さに驚いているのではないでしょうか。こんなはずではなかったと、抱いていた理想が崩(くず)れそうになることがあるかもしれません。特に、自 分とは異なる価値観を持った上司や先輩(せんぱい)から無理な仕事を頼まれたときなど、強くそう感じることでしょう。時には先輩の言葉につい反発(はんぱ つ)(注1)したくなることもあるでしょう。しかし、そんなときにはまず相手の考え方を受け入れてみてください。信頼関係を築くにはある程度の時間が必要 であり、その後で自分の考えを述べればよいのです。それまでは自分を抑(おさ)えることも大切で、それが社会人としての訓練でもあります。

B

人間にとって心身ともに健康であることが理想的だが、新しく社会に出た若者たちは、時にはうまくいかないことに出会い、自信を失うこともあるだろう。経験 から言うと、同僚(どうりょう)や先輩の温かい言葉が耳に入らなくなってしまうのは、そういう、自分に自信がなくなったときであることが多い。その結果、 今まで築いてきた人間関係まで壊(こわ)してしまうことさえある。自分の周りの人たちを大切にして、助言(じょげん)(注2)を生かしていく気持ちを持つ ためには、まず自分のこれまでの努力を肯定的にとらえてみよう。結果が完璧(かんぺき)でなくても、「よくやった」と自分自身に言えると、他の人の言葉も 素直(すなお)に聞くことができるようになる。

(注1)反発(はんぱつ)する:言い返す
(注2)助言(じょげん):アドバイス

4. A とB に共通して述べられていることは何か。




5. A とB では新社会人にどのようにアドバイスをしているか。




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