いまの男性の主張はまだ自己表現とは思わない。やっと「表現とは」というスタートラインに立ったところではないか。

表現はコミュニケーションを目的とする。表現が求められるようになった最大の背景は、日本という共同体や家族的な社会という共同体が崩壊したことだろう。年功序列や終身雇用が大前提という共通の文化があれば意思疎通は簡単で、その規範に従っていれば目立つ必要もなかった。

だが _______ が失われたいま、あらゆる人間関係で高度なコミュニケーション体力が求められる。演劇でも、文化の異なる人が集まる欧州で も、意思疎通を目的とするワークショップが盛んだ。共通の文化がないなかで、「いいことは黙っていても伝わる」と考えるのは、残念ながら思い込みでしかな い。

メッセージをより効果的に伝える手段として、政治家や大企業の社長に発声や魅力的な笑い方などを指導する演出家がつくことは、欧米でもよくある。内容は重視するのに表現のための方法論は非常に軽視してきた日本とは、大きく異なる。

しかし、内容は同じでも間の取り方や声の高さ、大きさなどで、うまい人と下手な人の差は明らか。落語がいい例だ。聞くほうも、内容より話し方や振る舞いといった方法論に説得されることがある。手法の重要性にやっと目が向き始めたということだろう。

1. 本文の _______ に入る最も適当なものはどれか。




2. 残念ながら思い込みでしかない」とあるが、どういう意味か。




3. 筆者の考えに一番近いものはどれか。




アメリカでは、会社の教育訓練もさることながら、個人が自己投資をして資格や能力を身につけることが多いのに対して、日本では会社の負担による教育訓練の 比重が圧倒的に高い。また、賃金も日本ではそのひとの能力や年齢、学歴といったものを基準にして支払われるのに対して、アメリカではそのひとの仕事に対し て支払われるのが一般的である。さらに、日本人の多くは、正社員として採用されたときから雇用保障が与えられていると考えるのに対して、アメリカ人は、自 分が会社にとって有益な存在となることによって、それを自分でつくりだすものと考える。
4. この文章の内容に合っているものはどれか。




人生は短く、しかも一回限りである。ある人生を生きるということは、他の可能な生き方をすべて断念するということに他ならない。数学と音楽が好きな少年が 数学者の道を歩き出す時、彼は音楽家になれば果たせたかもしれないすべての夢を失う。その悲しみは、たとえ彼が数学者としてどんなに輝かしい業績をあげた としても決して愈されることはないであろう。人が若い時をなつかしく感じるのは、失われた _______ をいとおしく思うからなのではないだろう か。
5. 文の_______ に入る最も適当なものはどれか。




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